アンテナ


私にとっての「アンテナ 」

最近は、デジタルモードの普及によりローパワー&シンプルアンテナでもより遠くの局と交信できるようになり、楽しみ方が広がりました。

 

 

一方、斜陽モードを通り越して化石モードに向かっているSSBですが、世界中の人と直接話し合うことで友情が育まれたり、自分の考え方や視野が広がる、外国語が身につくなど、デジタルモードとは違う楽しみ方や魅力があります。

  

 

しかし、SSBでは直接自分の耳で相手からの送信内容を聞き取る必要があるため、特に"耳の良さ"は重要な要素だと考えています。有線通信とは違って、目的の信号はノイズの海で溺れるほど弱かったり、激しく変動することもあり、決して良好な受信状態ばかりとは限りません。しかも多少なりともクセをともなう生の会話ですから、相手が話す内容を正確に捉えることは容易ではありません。

 

 

そこで、少しで良好に受信しようと思えば必然的にアンテナが大型化するため、誰でも気軽に取り組めるというわけではありません。しかし、アンテナの受信性能が上がるとノイズの海で溺れていた極めて弱い信号を拾い上げることができるようになり、それはスリリングなスポーツで、実に楽しいものです。

 

 

弱い信号が拾い上げていると、数の中には「1st JA」や「1st Asia」というサプライズが紛れていることもあります。大きな驚きと震えるほどの感動を味わいます。

 

 

ところで、14MHzで1st JA (1st Asiaを含む)が10エンティティほどあるのですが、興味深いことにすべてのQSOが6エレまたは7エレのモノバンダーを使っている時にだけ成功しています。

 

 

これらのQSOは10年ほどの間に行われたので、単にハイコンディションに恵まれたというだけではないでしょう。私は、そこにはアンテナの性能、特に受信能力が大きな役割を果たしたと思っていて、これが大きなアンテナを目指す原動力のひとつになっています。

  

 

ところで、1st JA / 1st ASIAの相手局のシチュエーションは、というと・・・

 

 

・厳しい景観規制のため野外にアンテナを設置できない。屋根裏アンテナとローパワーでひっそりQRV (チェコ, 1st Asia)

・裏庭の短縮バーチカルから5WでQRV (アイルランド, 1st Asia)

・1Wハンディー機で (EU圏内の周辺国との) DXing中 (ドイツ, 1st Asia)

・ローパワーのポータブル機で運用しながら10年間待っていた (カナダ東部, 1st JA)

・庭のテーブルに置いたスモールループから20WでQRV(南アフリカ, 1st JA)

・サイクリング中、ハンディー機でふざけてCQ DX出した(イギリス, 1st JA)

・ロシア語しか話せないんだ!(ベラルーシ, 1st JA)

・ファイナルTrが飛んだリグのドライブ段からオンエア(アルゼンチン, 1st JA)

 など。

 

まぁ何と言うか・・・涙が出そうなほど感動的でスリリングな微弱な信号の向こう側にあるのは、「なんだそれ!?」 という予想の限界を超える爆笑シチュエーションばかり。こういう笑いもまた、次を目指そうと思うエネルギー源になっているわけなんですが。笑